お知らせ

歌舞伎鑑賞と團十郎の「藍染め手ぬぐい」

 

團十郎と幸四郎、そして楽しみは江戸前鮨

7月中旬に東京・歌舞伎座の夜の部(松本幸四郎の裏表太閤記)と昼の部(市川團十郎の通し狂言・星合世十三團)を観劇しました。

写真①

 

幸四郎、團十郎ともに大熱演で、幸四郎は舞台上で本水(ほんみず)を使った滝での立ち回り、また十三代目團十郎は十三役の早替わりで、魅力的な演技で観客を魅了していました(写真①は歌舞伎座の外観、当日は雨天でした)。

 

観劇後は、江戸前鮨を食べるのが楽しみの一つです。六本木の「鮨なかむら」で、美味しい鮨を味わいました。(写真②)

写真②

 

初めての歌舞伎鑑賞は中学1年のころ

私が歌舞伎を観るようになったのは、母の影響があったからです。初めて観たのは中学1年生で、意味が理解できない部分もありましたが、母が優しく解説をしてくれました。劇場内の独特の雰囲気、役者の着物の色合いや美しさにも感動したものです。

以来60年余り歌舞伎座や国立劇場で観劇しています。高校1年生までは埼玉県に住んでいたため、毎月、演目が変わるたびに二つの劇場で観劇をしていました。徳島に引っ越してからも、年に5~6回、歌舞伎座などでの観劇を楽しんでおります。

 

團十郎の役者紋「かまわぬ」はファンを魅了

團十郎と言えば、「かまわぬ」の役者紋を思い出します。家の芸を象徴する「定紋」に対し、役者個人への熱狂や感情移入を加速させたのが「役者紋」です。

楽屋着や手ぬぐいなど、くだけた使い方をされることが多い役者紋は江戸庶民の間で大流行したそうです。好きな役者とお揃いのものを身につけたいというファン心理は現代にも脈々と受け継がれていますが、それが役者の個性をデザインした紋であるところに江戸っ子の粋を感じます。「鎌輪ぬ文様」は、「鎌」「○(輪)」「ぬ」の三文字で「構わぬ」と読ませ、荒ぶる江戸っ子の心意気を表しています。

写真③

もともとは元禄時代の町奴たちが「火も水もいとわず身を捨てて弱き者を助ける」という心意気を宣言するデザインとして身につけたのが始まりだと言われています。一時廃れていたものを復活させたのは七代目市川團十郎です。大柄の文様を染め抜いた着物はおおらかな芸、勇壮な姿と相まって観客を魅了し、爆発的に流行したそうです。(歌舞伎美人(かぶきびと)から引用)

 

見て美しく、食べて健康に。まさしくこれこそが藍の魅力

写真③の手ぬぐいは藍染で、「かまわぬ」を染め抜いたものです。美しい藍色は日本人が好むすっきりした色合いです。

藍色は「インジゴ」という色素ですが、私が研究している食用藍には「トリプタンスリン」などの機能性成分が含まれています。見て美しく、食べて健康に、まさしくこれこそが藍の魅力であると思っています。

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