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歌舞伎十八番

 
長年の歌舞伎ファンである姉と私は、2008年に行われた第1回歌舞伎検定を受け合格しました。受験会場が東京であったため、前日はホテルで必死に色々な資料や情報を集めて暗記して臨みました。丸暗記したものの一つに『歌舞伎十八番』がありました。

歌舞伎十八番とは天保時代に七代目市川團十郎が市川宗家のお家芸として選定した18番の歌舞伎演目です。

これらの台本を箱に入れて秘蔵したことから『十八番』を『おはこ』と言うようになったそうですが、『暫』(しばらく)、『助六』(すけろく)、『勧進帳』(かんじんちょう)、『矢の根』(やのね)、『外郎売』(ういろううり)、『毛抜』(けぬき)、『鳴神』(なるかみ)は上演回数が多いので内容もよく知っており、覚えやすいのですが、ほかの11番は丸暗記をしたものの、ストーリーもよく分からず、じれったい思いがありました。

11番のうちの『鎌髭』(かまひげ)は、60年間歌舞伎を観てきた姉と私でも観たことがなかった演目です。それが7月の歌舞伎座(夜の部)で上演されることを知り、東京に行きました。

出典:歌舞伎公式総合サイト 歌舞伎美人(かぶきびと)

 

7月22日は夜の部、23日には昼の部を鑑賞しましたが、お目当ては夜の部で、若手俳優の中村福之助が演じる『鎌髭』と團十郎親子が共演する『春興鏡獅子』でした。

『鎌髭』は髭をあたるのにかこつけて、鎌で首をかき切ろうとする敵に対し景清が、「負けた側が勝った側へ乗り込み、私は死なないぞ、どうだ、殺してみろと、遊び心を見せる。しかし、その心底には負けた者の悔しさがあり、それを露骨に出すのではなく、おおらかに表した演目(参照:歌舞伎美人)。

『春興鏡獅子』は市川團十郎が前半は小姓弥生(女形)として優美な舞い、後半は獅子の精(立役)のダイナミックな毛振り舞い、そして長女の市川ぼたんと長男の市川新之助が可憐な胡蝶の精として舞い踊る歌舞伎舞踊です。

團十郎一家の息の合った、見事な踊りに圧倒された瞬間でした。
芸に打ち込む真摯な姿勢が垣間見られ、素晴らしい余韻に浸る一夜となりました。

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